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2006.01.12

〔井筒屋〕番頭・勝四郎

『鬼平犯科帳』文庫巻5に入っている[女賊(おんなぞく)]のヒロイン〔猿塚(さるづか)〕のお千代は、40すぎとはとてもおもえない女躰を餌に男どもをあやつり、盗みを働いている。
(参照: 〔猿塚〕のお千代の項)
ときどき、お千代を抱かせてもらっているのが、店をとりしきっている番頭・勝四郎だ。
お千代は、表向きは牛天神前の菓子舗〔井筒屋〕の女房ということになっており、勝四郎は番頭であるとともに一味の小頭役でもある。
一味がいま目をつけているのは、橘町の乾物問屋〔大坂屋〕で、すでにお千代の女躰のとりこになっている〔大坂屋〕の手代の幸太郎(20歳)が、間取りや雇い人の数などをすっかりもらしてしまっている。

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年齢・容姿:中年。でっぷりと肥えて愛想がいい。
生国:近江(おうみ)国犬上郡(いぬがみこうり)高宮(現・滋賀県彦根市高宮)。
お千代の父親、先代の徳右衛門が丁稚として連れてきたもので、同郷とみた。

探索の発端:東海道は岡部宿の小間物屋〔川口屋〕に、引退して寄宿している〔瀬音(せのと)〕の小兵衛だが、通りがかりの〔福住(ふくずみ)〕の専蔵から、隠し子の幸太郎が〔猿塚〕のお千代のなぐさみものになつているときいて、矢もたてもたまらず、江戸へやってき、出会った密偵おまさに苦悩を訴えたことから、鬼平が乗りだした。
(参照: 〔瀬音〕の小兵衛の項)
(参照: 〔福住〕の千蔵の項)
(参照: 女密偵おまさの項)

結末:根岸の〔盗人宿〕からは押しこめられていた幸太郎が救出され、牛天神門前町の〔井筒屋〕では、お千代が自裁していた。記述されてはいないが勝四郎も捕縛されたろう。

つぶやき:40をすぎていて27,8歳に見えたという〔猿塚〕のお千代は、吉右衛門さん=鬼平のビデオでは沢たまきさんが演じていたが、カメラはデュート(紗)をかけていた。
デュートなしでやれたのは、40歳ごろの森光子さんだったろう。
じつは、出たばかりの電気洗濯機の使用説明書の主婦役モデルを、30代の森光子さんにお願いしたことがある。彼女の京都て゜の無名時代である。

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