敵(かたき)持ち・土田万蔵
『鬼平犯科帳』文庫巻6の末尾篇[のっそり医者]で、主人公の萩原宗順(60すぎ)を親の敵(かたき)と狙ってきた、下総・古河藩の浪人・土田万蔵。16歳のときから敵討ちの旅に出てほぼ25年---この間、辛酸をなめつくし、いろんな悪事にも手を染めた。
最近では、稲荷堀(とうかんぼり)の近くで辻斬りもやった。
相棒は〔落合(おちあい)〕の儀十(30がらみ)という盗人。
(参照: 〔落合〕の儀十の項)
年齢・容姿:40すぎ。しっかりした身なり。
生国:下総(しもうさ)国葛飾郡(かつしかこおり)古河(こが)(現・茨城県古河市)
父が古河藩の膳番。
探索の発端:鬼平が萩原宗順のもとへ送った小娘およしが、不審な男2人が宗順の身辺をさぐているようだと、鬼平へ告げたことから、宗純の身元もあらわれ、彼が敵(かたき)討ちをうける身であることがわかった。が、いまの宗順は、前非を悔いて、医術でもって世のために尽くそうとしていた。
結末:難をさけて宗順とおよしが捨てた家を、土田万蔵と儀十が襲ってき、待っていた鬼平に斬られた。
つぶやき:「敵討ちは、火盗改メの相知らぬこと---」といって、萩原宗順の過去を不問に付する鬼平のかっこうのよさは、読み手を酔わす。が、法の仕事に就いている幕臣としての言葉としては---。
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