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2005.08.12

〔貝月(かいづき)〕の音五郎

『鬼平犯科帳』文庫巻11に収められている[雨隠れの鶴吉]で、鶴吉の実家である日本橋・室町2丁目の茶問屋〔万屋〕源右衛門方へ、飯炊き男として引き込みにはいっている、〔稲荷(とうが)〕の百蔵配下の男。
(参照: 〔雨隠れ〕の鶴吉の項)
(参照: 〔稲荷〕の百蔵の項)
かつて〔野槌(のづち)〕の弥平の下にいたが、一味が火盗改メに捕縛されたときにうまく逃げおうした3,4人のうちの1人。もう1人が鶴吉の女房になっているお民。
(参照: 〔野槌〕の弥平の項)
(参照: 女賊お民の項)

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年齢・容姿:40がらみ。ずんぐりと大きな躰。金壺眼(きんつぼまなこ)。
生国:美濃(みの)国揖斐郡(いびこうり)貝月山麓・久瀬(くぜ)村(現・岐阜県揖斐郡久瀬村)
貝月山(1,234.3m)は、久瀬、春日、坂内の3ヶ村にまたがっているから、あとの2村の出である可能性もある。

探索の発端:お民が見つけて鶴吉に話し、鶴吉が使用年時代に可愛がってくれた井関録之助へ打ち明け、録之助から鬼平へ話が通じ、火盗改メの監視がはじまった。

結末:上州・武州をまたにかけて荒らしまわっている〔稲荷(とうが)〕の百蔵一味24名が〔万屋〕へ押しこんできたところを全員逮捕。

つぶやき:基本的には、火盗改メと盗賊グループとの対決物語である『鬼平犯科帳』の読みどころの一つは、探索の発端のヴァラエティにある。鬼平が「がん」をつける話がもっとも多いが、与力・同心、密偵がらみを表とすると、この篇のように盗人同士というきわめて珍しい裏ケースもある。
隣あった篇には異なった発端を置くのが、池波さんの苦心の一つでもある。

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コメント

通り名「貝月」の貝月山、語呂がいいので、どんな山か、気になってリサーチしてみました。

名鉄本揖斐駅から車で30分、「ふれあいの森」から登山道が整備され、1時間30分から2時間で、ファミリーで登れる山だそうです。

頂上からは伊吹山、琵琶湖、濃尾平野、北アルプスをはじめ360度の展望。
初夏はシャクナゲ、秋は紅葉、冬はスキー。
でも豪雪地帯で、冬の登山は厳しいようです。

貝月の音五郎も「野槌の弥平」一味が捕わった時逃げ延びた一人なので、みかけによらず厳しいところがあるのかもしれません

投稿: みやこのお豊 | 2005.08.12 12:55

>みやこのお豊さん

あいかわらずの、入念なリサーチ、敬服です。

名鉄本揖斐駅から車で30分ですか。1時間30分から2時間のファミリー向き登山道はいいとして、車で30分というのが、きびしいですね。
タクシーだと3,000円かな。

投稿: ちゅうすけ | 2005.08.15 14:11

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