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2006.01.09

〔瀬田(せた)〕の万右衛門

『鬼平犯科帳』文庫巻18の[馴馬の三蔵]のタイトルとなってに登場している〔馴馬(なれうま)〕の三蔵(60歳前)に、亡妻の敵(かたき)と狙われて傷つけられたのが、橋場の料亭〔万亀〕の主人〔瀬田(せた)〕の万右衛門である。
(参照: 〔馴馬〕の三蔵の項)
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橋場の渡 手前の大川ぞいに料亭が並ぶ
(『江戸名所図会』より 塗り絵師:西尾 忠久)

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年齢・容姿:50歳前後。すべてに品がよく、恰幅も愛想もいい。
生国:近江(おうみ)国坂田郡(さかたこおり)瀬田町村(現・滋賀県大津市瀬田)。
テリトリーが近江・美濃へかけてとあり、元は万右衛門の女だったおみのという名前もあるから、美濃(みの)国可児郡(かここおり)瀬田村(現・岐阜県可児市瀬田)も有力候補だったが、「上方そだち」から大津の瀬田を採った。

探索の発端:客を舟で万亀へ送った〔小房〕の粂八は、かつて〔野槌(のづち)〕の弥平の配下だった時代に、一味を助(す)けていた〔馴馬〕の三蔵が物置小屋へ忍び入ったを見かけ、居坐り盗めをやるのかとおもった。
(参照: 〔野槌〕の弥平の項)
で、夜、ふたたび猪牙舟をあやつって見張りに出かけた。
が、〔瀬戸〕の万右衛門は、十数年前、東海道・岡部宿で小間物屋をしていた三蔵の女房おみのと、粂八が預けた恋人お紋を惨殺していたのだ。粂八は、お紋の旦那の〔鮫津〕の市兵衛の仕業とばかりおもいこんでいたのだが。

結末:亡妻の敵(かたき)をとりに忍びこんだ三蔵は、万右衛門へ傷をおわせたものの、〔万亀〕の用人棒浪人に斬られ、粂八の舟でこと切れる前に、おみのが元は万右衛門の女だったこと、それでお紋が巻きぞえをくったことを、粂八に打ち明けた。
早速に火盗改メが出張って、一味を逮捕。

つぶやき:19歳のときに押し込み先で下女を犯し、〔血頭〕の丹兵衛一味を追放されたほど女好きの〔小房〕の粂八は、その後は自重しているのか、密偵になってからも女っ気がまったくといっていいほどない。
(参照: 〔血頭〕の丹兵衛の項)
しかし、24,5歳のときにお紋とも熱い関係があったことが初めて明かされた篇でもあり、粂八にも躰の中を赤い血がたぎることもあるとわかって、安心(笑)。

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コメント

お久しぶり。

やっと、あたしの〔小房〕の粂八っつあんの女っけのお出ましだわ。

でも、〔瀬田」の万右衛門って悪の登場で、お紋さんが殺されたのが、傍ずえだったって照明されたんだわ。

粂八さんもあきらめて、あたしのほうへ、気をむけてくれそう。へっへっへへ。

投稿: 柳原岩井町裏店、おこん | 2006.01.09 19:01

おこんさん お久しぶりです。
お元気でしたか。

おこんさんのお好きな粂八さんの秘密が
一つ解けましたね。

投稿: みやこのお豊 | 2006.01.09 19:57

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