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2006.02.20

〔志度呂(しどろ)〕の金助

『鬼平犯科帳』文庫巻2の所載の[蛇(くちなわ)の眼]で、頭の平十郎配下の1人が、この〔志度呂(しどろ)〕の金助。
(参照: 〔蛇〕の平十郎の項)
あとの3人が、
〔片波(かたなみ)〕の伊平次(40歳)
 (参照: 〔片波(かたなみ)〕の伊平次の項)
〔駒場(こまんば)〕の宗六(30歳)
(参照: 〔駒場〕の宗六の項)
鶉(うずら)の福太郎(25歳)
(参照: 〔鶉〕の福太郎の項)
さらには、蛇の平十郎の軍師役・〔白玉堂(はくぎょくどう)〕紋蔵。
(参照: 〔白玉堂〕紋蔵の項)
このうち、〔志度呂〕の金助は、「小舟を漕いで屋形舟などの間をぬい、真桑瓜西瓜を売る」舟商人となって、浜町堀に面した〔道有屋敷〕を見張りながら、盗んだ金子を向島の盗人宿へ舟で運ぶ役を与えられている。

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年齢・容姿:35歳。容姿の記述はない。
生国:遠江(とおとうみ)国敷知郡(しきちこうり)志度呂(しとろ)村(現・静岡県浜松市志度呂町)。
佐鳴湖の南西、浜名湖にそそぐ新川右岸だから、子どものときから、小舟の扱いにはなれている。

探索の発端:これより前の事件---文庫巻1に所載の[座頭と猿]で逃げ隠れていた座頭・彦の市が女に会いに現われて逮捕され、〔蛇(くちなわ)〕一味の盗人宿が相州・小田原宿の北の部落・上之尾にあることを白状した。
(参照: 座頭・彦の市の項)

結末:上之尾へ馬で急行、待ち構えていた鬼平以下の火盗改メに、全員逮捕、死罪。

つぶやき:志度呂は、志戸呂と書くという。「志戸呂」だと、島田市に合併された大井川ぞいの金谷にも同名の地があるが、舟のあつかいに長ずるには、やはり琵琶湖に水つづきのほうがいい。

ただ、池波さんは「しどろ」とルビをふっているが、「志度呂」も「志戸呂」も読みは「しとろ」。池波さんは、現地を踏んでいなくても、三方ヶ原近辺の地図はしっかり見分したろう、そのときに発見した地名かも。

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