« お勝の杞憂 | トップページ | お勝の杞憂(3) »

2010.11.05

お勝の杞憂(2)

(てつ)さま。お訊きしてはならないことをお訊きしても、お怒りにならないでくださいますか?」
(37歳)は、すでに酒がまわったか、浴衣の胸元がはだけ、乳房は丸見え、横すわりの裾も割れ、太腿の奥の黒いところまでのぞけた。

「怒られるとおもったら訊くな」
「いいえ。しりたいのです」
「おの尻(しり)の肉(しし)置きなら、先刻、触ってたしかめた」
平蔵(へいぞう 33歳)が笑ったが、おの目はすわっていた。

「お教えください。さまには、いま、お情けを受けているおんながいますか?」
「いたら、どうする?」
「どうもしません。おもその一人にお加えください」

参照】20101011[剃髪した日信尼] 

(抱くしかないようだ)
jしてやったりという笑顔を見せたおは、膳を板戸の外へだし、二つ折りの布団をのべた。
泊まる者の用向きが用向きだけに、部屋々々の間仕切りは厚い板戸を配慮していた。

「初めての時、死んだようにしていよ、とおっしゃいました」
裸で目をつむり、仰向けに寝た。
「おは、死にます」

「死ぬ前に訊いておく。お乃舞(のぶ 19歳)とは終わったのか?」
箱枕をあてがったかぶりをかすかにふった。
「相談ごととは、そのことではなかったのか?」

参照】2009928~[お勝の恋人] () () (

平蔵も横に添いながら上掛けを覆うと、おが躰を脇に変え、腰を抱き、秘所を押しつけた。
平蔵のものが硬くなっているのを感知し、
「長い6年でした。この硬くて、弾みがついているのをいただくのは---上に乗っていいですか?」
「好きにせよ」

里貴(りき 30歳=当時)も、このように接したがったことがあったな)

参照】2010年3月22日[平蔵宣以の初出仕] (

は上にまたがり、脊を立てたまま、しばらくじっとしていたが、
「あっ、あたりました」
「ん?」
「ここです、ここ---」
の上躰が前へ傾き、腰を激しくゆすった。
両掌は、平蔵の胸板で支え、指先で乳首をなめらかにいたぶった。

(おれをお乃舞とまちがえておるのか?)
微妙な性感を感じはじめたこともいなめなかった。

「あたるんです、ほら---」
「なにがだ?」
「すごい。す、ごう、く、---い、い---わかりますか? わかってぇ---」

がかぶさり、首に腕をまわし、しめつけ、また上躰をおこし、腰をゆさぶり、倒れこみ、平蔵の上で小きざみに震え、うめいた。
「来て。きて---」

「よし---」
平蔵が腰を動かすと、おは悲鳴のように喉を鳴らし、泣きだし、うわごとのようなつぶやきを洩らした。
「う・れ・し・い---」

|

« お勝の杞憂 | トップページ | お勝の杞憂(3) »

149お竜・お勝・お乃舞・お咲」カテゴリの記事

コメント

はじめて書かせていただきます。
最近、鬼平ファンの友人から、ここをすすめられました。
いやあ、すごい量のデータと色模様です。日に20分ずつさかのぼって読ませていただいております。いまは安永年間、銕三郎がお豊につかまったところです。
それにしても、水死したお竜、貞心尼、お勝---江戸へ帰っては里貴、お信と、つぎつぎにもてますね。
田沼意次がらみの里貴が印象的でした。
しかし、自分流に働いている女性があんなに多かったのかなあ。現代の自立している専門職女性がモデルみたいに思えてなりません。

投稿: yotarou | 2010.11.05 05:11

〔蓑火〕一味から〔狐火〕へ移籍したものの、頼りにしていたお竜に逝かれたお勝とすれば、頼れるのは平蔵しかいないのが実情でしょうね。
それにバイ・セクシァルの体験が衝撃的だったとすると、密偵しごとであっても、鬼平に献身するはず。
おまさとは違った意味で平蔵は、お勝という、いいスタッフを自然につくっていっています。

投稿: 文くばりの丈太 | 2010.11.05 05:23

>yotarou さん
ようこそ。
このブログは、6年前に立ち上げ、以後、自分の都合では1日も休まずに書きつづけ、2200余ヶのコンテンツをアップし、なお日々、増えつづけています。
『鬼平犯科帳』のブログでは最多量のデータで、お読みくださるほうでもご苦労だとおもいます。
ヘージヴューも鬼平関連のものでは最多の、67万を超え、750超/日がつづいています。
小説の鬼平像からなるべく逸れないようにしつつ史実を採り入れていますから、ときどき、「おや?」とお感じになることもありましょうが、「若いころの平蔵はそうだったかもな」ぐらいでお見逃しください。

『鬼平犯科帳』は、いまでは若いビジネス女性によく読まれているようです。ブログの女性にも、そんな感じが反映しているかもしれません。
これからも、銕三郎のイタ・セクスアリスを見守ってやってください。

投稿: ちゅうすけ | 2010.11.05 09:19

>文くばり丈太 さん
いつもご配慮のコメント、はげみになります。
ほんとうは、お竜(りょう)をもっと生かしておいてやりたかったのですが、そうすると、銕三郎が里貴に出会えずになってしまいます。
お竜の智謀をとるか、里貴の稀有の躰が必要かで悩みましたが、銕三郎に異色の体験をさせてみうとの、自分の好奇心に負けました。

里貴の立て膝は、25年ほど前の韓国旅行のときに目にしました。大邱の大学の観光科の教授のご案内でした。

投稿: ちゅうすけ | 2010.11.05 09:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« お勝の杞憂 | トップページ | お勝の杞憂(3) »