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2012.02.24

〔夜鴉(よがらす)〕の仙之助

鬼平犯科帳』文庫巻23[炎の色]で、おまさを夢の中で苦しめる夜鴉(よがらす)の正体---〔夜鴉〕の仙之助は、流れづとめであった20歳前後のおまさが、〔荒神(こうじん)〕の助太郎の下で名古屋で連絡(つなぎ)役をしていた時に、しびれ薬をいれた酒で身体の自由をうばったうえで犯した男。
おまさファンにとっては許せない男の一人。
〔荒神〕の助太郎が歿した祥月命日の(陰暦)7月10日に、2代目〔荒神〕のお夏(なつ)をもりたてる集まりでおまさは仙之助に再会するが、現実の夜鴉の鳴き声は、その前兆であった。
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年齢・容姿:いわゆる白子というのであろうか、色素の薄い、それこそ気味が悪いほど白い顔。唇まで白く、梅雨どきの床下からただよってくる湿った瘴気(しょうき)のような体臭の持ち主。中年。
生国:名古屋か。その城下で役者をしていた。厚い白粉と紅化粧で白子の顔を隠してたのであろう。

結末:2代目〔荒神〕のお夏の一統が〔峰山(みねやま)の初蔵(はつぞう)一味と組み、箱崎町の醤油問屋〔野田屋〕卯兵衛を襲ったときに捕らえられた。

つぶやき:f長谷川組のはげしい拷問にも口をわらなかったとあるから、盗賊としては根性のあるほうであろう。
池波さんは、名古屋の三園座kの公演の演出によくでかけたらしいが、印象があまりよくなかったか、[妖盗葵b小僧]の芳之助にしても色好みが強すぎるというか、色情の発露が尋常ではない。もちろう、性格がくずれた男にはよくある例だが、犯される女性のほうはたまったものではない。こころの傷は一生ものであろう。
ゆえに、読み手はこの種のキャラを平蔵とともに許さないが、その実、いつか仙之助のようなレイプをするのではなかろうかと自分の性欲の深淵さにおどろきもする。

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