〔黒灰(くろばい)〕の宗六
『鬼平犯科帳』文庫巻7に置かれている女賊の[掻掘のおけい]の篇で、おけい(40をこえている)と組んで、荒っぽい盗めもいとわない一味の首領が〔和尚(おしょう)〕の半平(年齢不詳)の配下として、おけいとの連絡にあたっているのが、〔黒灰(くろはい)〕の宗六である。
(参照: 〔掻掘〕のおけいの項)
(参照: 〔和尚〕の半平の項)
年齢・容姿:30男。苦味のきいた顔。
生国:常陸(ひたち)国多賀郡(たがごおり)黒坂村(現・茨城県多賀郡十王町黒坂)。
5年前といえば宗六の25歳前後のころだが、〔和尚〕の半平の使いで、相州・平塚の盗人宿にいた〔大滝〕の五郎蔵のところへ共生国、多賀郡(たがこうり)関本村(現・北茨城市関本町小川)の近くで捜して、黒坂を見つけた。聖典には、同じ篇[掻掘のおけい]に〔黒坂(くろさか)〕という通り名の盗人の首領・伝右衛門が先に出ているので、池波さんは 〔黒灰〕と変えたと類推。
(参照: 〔大滝〕の五郎蔵の項)
(参照: 〔黒坂〕の伝右衛門の項)
探索の発端:かつて現役時代の五郎蔵の下にいた〔砂井(すない)〕の鶴吉が、大豊島の女賊〔掻掘〕のおけいに可愛がられすぎた精も根も吸いとられていると、五郎蔵に助けを求めてきた。
(参照: 〔砂井〕の鶴吉の項)
五郎蔵がおけいを尾行(つ)けると、新川の蕎麦屋で〔黒灰〕の宗六と密談していた。
五郎蔵が宗八を見知っていた経緯はすでに書いた。
結末:宗六ちを尾行(つ)け五郎蔵が見つけた〔和尚〕の半平の盗人宿を見張った火盗改メは、彼らが襲おうとした浜町堀・富沢町の紅・白粉問屋〔玉屋〕で、全員逮捕。宗六は矢で殺された。
つぶやき:イケメンの宗六をねぶってみようと、おけいは思わなかったか。また、宗六はおけいに一度抱かれてみたいとおもわなかったか。
お盗めの前のいましめを守りきった宗六は、生きていたら、伊三次のようないい密偵になったかもしれない。
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コメント
検索をしたら植物が引っかかりました。
参考まで。
http://www.hana300.com/kuroba.html
投稿: 豊島のお幾 | 2006.02.16 15:10