〔ぬのや〕の弥市と剣客・石坂太四郎
このココログ、2006年3月31日までの15ヶ月間のタイトルは[盗賊探索日録]といい、池波小説に登場している盗人たちの生国を調べ、日報していた。
その名ごりは、当ブログの右サイドバーに登録された県名となって全記録が残っている。
あなたの出身県名をクリックで、たちどころに、あなたの出身県生まれの盗賊たちのリストが現れる。
発想のもとは、2002年10月から、静岡市にも〔鬼平クラス〕(SBS学苑パルシェ)が誕生し、ぼく自身が静岡県になじみができ、地名になじみができるとともに、その多くが盗賊の「通り名(呼び名)」となっていることに気づいたこと。
そのまえに、雑誌に載った池波さんの書斎の写真に写っていた本の背文字をルーペで調べていて、明治30年代に刊行がはじまった吉田東伍博士『大日本地名辞書』(冨山房)を見つけたときから、その地名辞書と盗賊たちの「通り名(呼び名)」との関連が胸中にしこっていはした。
[1-7 座頭と猿]の〔五十海(いかるみ)〕の権平
[3-2 盗法秘伝]〔伊砂(いすが)〕の善八
[4-2 五年目の客]の〔羽佐間(はざま)〕の文蔵
[6-4 狐火]の〔瀬戸川(せとがわ)〕の源七
[11-3 穴]の〔馬伏(まぶせ)〕の茂兵衛
など、400余名の盗賊のうち、30人近くが静岡県出身と判明した。
いや、静岡県が盗賊の産地というわけではまったくない。
静岡県への池波さんのなじみ度が高いというにすぎない。
たぶん、若い頃の池波さんが忍者ものの取材で、徳川家康らを調べるために静岡県になんども足を運んでいるうちに親しんだ地名とおもわれる。
その証拠に、甲賀忍者が出た滋賀県、武田信玄の山梨県と長野県、上杉謙信の新潟県、お好きだった京都、ご自身の先祖の出身・富山県も上位にランクされている。
ところが、最近になって、
[2-5 密(いぬ)偵]の密偵〔ぬのや〕の弥市
[6-3 剣客]の剣客盗賊・石坂太四郎
のような準主役の探索洩れがあることがわかった。
漏らしたのではなく、出身国が特定できなかったために後回しにしたのだとおもう。
その後、カテゴリーに「不明」の項をつけざるを得なくなって設定したのに、2人を忘れていたらしい。
ほかにも、生国未特定で後回しにした準主役級がいるに違いない。
これから盗賊に総当りしてみないと。えらい仕事がふえてしまったが、ここまできたら、やるしかないだろう。
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