平蔵、これまでの盗賊体験(3)
初代〔狐火(きつねび)〕の勇五郎と平蔵(へいぞう)とのつながりは、〔盗人酒屋〕の主(ぬし)・〔鶴(たずがね)〕の忠助(ちゅうすけ)といってもいいかもしれない。
もちろん、その端緒は、〔狐火〕の右腕・〔瀬戸川(せとがわ)〕の源八(げんぱち 51歳=当時)であった。
【参照】2008年5月28日~[〔瀬戸川(せとがわ)〕の源七] (1) (2) (3) (4)
なんだか、脇役からはいってしまったのが、いかにも型やぶりの勇五郎に、うってつけの感じである。
2008年6月2日~[お静というおんな]](1) (2) (3) (4) (5)
ついでだから、も一人の変わった脇役を加えておこう。
いまの言葉でいえば諜報員。
うさぎ人をあちこちに配置しているところが、いかにも情報を重んじる〔狐火〕らしい。
その器量の大きさは、お静と銕三郎が乳くりあったことをしっても、〔小浪〕の(1)にあるセリフで許してくれたこひとでもわかる。
[〔うさぎ人(にん)・小浪] (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)
銕三郎が久栄(ひさえ)との蜜月の宿泊先として、向島の寮を提供してくれもした。
そこでの〔瀬戸川〕の源七との会話。
2009年2月13日~[寺島村の寮] (1) (2) (3) (4)
銕三郎が父の赴任にさきだって上京したときに、真っ先に訪ねたのも〔狐火〕の店であった。
2009年7月20日~[[千歳(せんざい)のお豊] (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (9) (10) (11)
こうして拾っていくと、初代〔狐火〕の勇五郎自身の登場が、〔蓑火〕より少なかったことがわかってしまった。
聖典『鬼平犯科帳』文庫巻6[狐火]によると、21歳の又太郎(2代目[狐火])を抱いて男にしてやったのはおまさだという。
順当にいくと、[狐火]は寛政3(1791)の事件になるはずです。
おまさ、33歳
2代目勇五郎、32歳。
又太郎(2代目勇五郎)が、22歳のおまさによって男に脱皮したのは21歳のときとなっている。
寛政3年からさかのぼると、計算上は安永9年(1780)となり、物語の進行では、あと3年後のこと。
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